通院医療費公費負担制度 (32条)

良く聞かれる 「通院医療費公費負担制度 (32条)」 についてまとめました。

市区町村によって助成の仕組みが若干ことなります。正確な情報は、お住まいの地域の役所の保健福祉課などにお問い合わせください。

  • 2002 年 04 月 01 日より、通院医療費公費負担制度(32条)と精神障害者保健福祉手帳の申請窓口が、保健所から市区町村の役所へ変更となりました。
  • 2002 年 10 月 01 日より、通院医療費公費負担制度(32条)の申請書に医師の正式な診断を書く欄が付き、都道府県での判定基準が厳しくなりました。
  • 2004 年 06 月 自己負担額についての表に誤りがあったので修正しました。
  • 2006 年 04 月 01 日より、「自立支援医療制度」に切り替わっています。「自立支援医療制度」に関する詳細はこちら。

概要

精神保健福祉法の第 32 条に 「通院医療費公費負担制度」 という制度について書かれています。一般に 「32 条」 とも呼ばれます。 精神疾患の治療のために医療機関に通院している方を対象にその医療費を公費で負担する制度です。 簡単に説明すると、通院医療費の 95 % までを公費で負担してくれます。

対象

  • 精神科領域の病気にかかっていて、精神科、神経科もしくは心療内科などの医療機関に定期的に通院している方。
  • 精神病、知的障害、精神病質。神経症のうち、心因精神病もしくは精神病質のうちに属すものを含みます。
  • 年齢制限、所得による制限、受診期間による制限はありません。
  • 診察料、お薬代が対象です。
  • 処方されたお薬のうち、風邪薬や吐き気止めなどの胃薬など、直接精神病を治療するもの以外のお薬は対象外となります。
  • 入院治療されている方は対象外となります。

仕組み

一般的に以下の表のように、まず加入している保険の給付が始めになされ、残りの金額のうち自己負担額が 5 %となるように公費で負担してくれます。公費は国が 1/2 、都道府県と指定都市が 1/2 を負担します。

さらに住民税が非課税の人の場合、自己負担は 0 % になります。地域によっては、住民税の課税・非課税を問わず自己負担が 0 %になるように助成してくれる地域もあるようです。


保険給付 公費負担 自己負担
社会保険加入者本人 80 %15 %5 %
社会保険加入者の扶養者 住民税課税70 %25 %5 %
住民税非課税 70 %30 %0 %
国民健康保険加入者 住民税課税 70 %25 %5 %
住民税非課税 70 %30 %0 %

住民税非課税についてはこちら

具体例

仮に、会社員で社会保険に加入している人が、精神科の診察を受け、処方箋通りにお薬を頂いた場合で 2,000 円かかるとした場合、2 週間に 1 回の通院とすると年に 24 回 = 48,000 円かかる計算です。

この人が 32条の適用を受けると、20 %の個人負担額が 5 %に軽減されますから、1 回の通院で 500 円、1 年間で 12,000 円の負担で済みます。初めて申請する場合には医師の診断書が必要となりますが、診断書は高くても 5,000 円以内なので申請するだけの価値が充分にあります。

手続きの方法

基本的には、お住まいの地区の役所で申請書と診断書を受取り、医師に診断書を書いてもらい、申請書とともに役所に提出します。申請にあたって費用は不要ですが、医師の診断書料が 3,000 円から 5,000 円 程度かかります。

医療機関によっては申請書や診断書を常備し、申請を代行してくれるところもあります。受付で 32条にして下さい言うだけで済むところがほとんどです。通院している医療機関の窓口に問い合わせてみてください。

代行してもらう場合、代行費用をとられる場合がありますが、それでも診断書料と合わせて 5,000 円以内で済むでしょう。

精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、医師の診断書は不要です。申請書の提出のみとなります。 精神障害者保健福祉手帳と同時に申請することが可能です。その場合、診断書は 1 枚で済みます。

有効期間

2 年間です。継続して助成を受けたい場合、有効期間が切れる 3 ヶ月前から申請することが可能です。

適用開始までの期間

申請から適用開始まで、だいたい 1 ヶ月程度かかります。都道府県で判定を行なうためです。精神科の受診を始めてからの期間の制限はありませんから、できるだけ早く申請したほうがお得です。

参考情報

  • 転院する場合には手続きが必要です。役所に自分で申請した場合には役所へ、医療機関に代行してもらった場合にはその医療機関へ相談してください。
  • 精神科の治療は長い期間かかる場合があり、受診者の医療費負担も大きくなります。それが治療を中断させてしまう原因となりかねません。継続して正しい治療を受けるため金銭的負担の軽減も重要です。
  • 公費負担の申請書は、精神障害者保健福祉手帳の申請書を兼ねていますが、手帳だけあるいは公費負担だけの申請ができます。もちろん両方同時の申請も可能です。
  • 申請に関して、個人のプライバシー保護には十分な配慮がなされます。会社に情報が漏れる心配はありません。ご安心ください。

精神保健福祉法の抜粋

難しいので読まなくても申請には問題ありません。興味のある方のみどうぞ。

(通院医療)

第 32 条

都道府県は、精神障害の適正な医療を普及するため、精神障害者が健康保険法第43条第3項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局その他病院若しくは診療所 (これらに準ずるものを含む。) 又は薬局であつて政令で定めるもの (その開設者が、診療報酬の請求及び支払に関し次条に規定する方式によらない旨を都道府県知事に申し出たものを除く。次条において「医療機関等」という。) で病院又は診療所へ入院しないで行われる精神障害の医療を受ける場合において、その医療に必要な費用の 100 分の 95 に相当する額を負担することができる。

2 前項の医療に必要な費用の額は、健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例によつて算定する。

3 第 1 項の規定による費用の負担は、当該精神障害者又はその保護者の申請によつて行うものとし、その申請は、精神障害者の居住地を管轄する市町村長を経て、都道府県知事に対してしなければならない。

《改正》平 11 法 065

4 前項の申請は、厚生労働省令で定める医師の診断書を添えて行わなければならない。ただし、当該申請に係る精神障害者が精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているときは、この限りでない。

《改正》平 11 法 160

《1項削除》平 11 法 065

5 第 3 項の申請があってから 2 年を経過したときは、当該申請に基づく費用の負担は、打ち切られるものとする。

6 戦傷病者特別援護法 (昭和 38 年法律第 168 号) の規定によつて医療を受けることができる者については、第 1 項の規定は、適用しない。

7 前各項に定めるもののほか、第1項の医療に関し必要な事項は、政令で定める。

(費用の請求、審査及び支払)

第 32 条の 2

前条第 1 項の医療機関等は、同項の規定により都道府県が負担する費用を、都道府県に請求するものとする。

2 都道府県は、前項の費用を当該医療機関等に支払わなければならない。

3 都道府県は、第 1 項の請求についての審査及び前項の費用の支払に関する事務を、社会保険診療報酬支払基金その他政令で定める者に委託することができる。

(費用の支弁及び負担)

第 32 条の 3

国は、都道府県が第 32 条第 1 項の規定により負担する費用を支弁したときは、当該都道府県に対し、政令で定めるところにより、その 2 分の 1 を補助する。

第 32 条の 4

第 32 条の 2 の規定は、第 32 条第 1 項の規定による都道府県の負担について準用する。

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